2021年11月19日(金)、半年ぶりに部分月食が発生します。この不思議な現象を、解説付きで体験しませんか?
この日の満月は、東京では少し欠けた状態で月が昇り、そしてみるみるうちに小さくなっていきます。
やがて右下に小さく明るい部分が残り、しかし全体は赤く染まることでしょう。
この日はしし座流星群の極大日翌日ですので、暗くなった月と共に流れ星を見ることができるかもしれません。
さらに17時過ぎと18時40分頃には国際宇宙ステーションが見える予報もありますので、大変賑やかな夜になると思います。
この滅多にない機会を皆さんで体験しようと、観望会を企画しました、
当日は望遠鏡を使って大きく欠けた月の拡大映像もお楽しみいただきます。
ぜひご参加ください。
要項
- 日時
- 2021年11月19日(金) 16:30~20:00 (開場 16:00)
- 場所
- 福生第二小学校 校庭
- 参加費
- 無料
- 定員
- 30名
- 参加申込
- 部分月食観望会 in 福生(こくちーずプロ)
月食について
月食とは、太陽が作り出す地球の影に月が入り込む現象です。
もう少し詳しく説明しましょう。
太陽に照らされて、地球には影ができます。この影は地球に夜をもたらすだけでなく、太陽の反対側の宇宙空間に長く伸びます。この影に月が入ると月の一部または全部が暗くなり、普段の満ち欠けとは異なった欠け方をします。これが【月食】です。
さてここで、影をよく観察してみてください。影の縁の部分がぼやっと薄くなっています。本体の暗い影の部分を【本影】といい、ここでは光が完全に遮られています。そして縁の薄い部分は光の一部しか遮られないために少し明るくなっており、この部分を【半影】と言います。
もちろん、太陽と地球が作る影にも本影と半影があります。月全体が本影に入る現象を【皆既月食】、一部だけが入ることを【部分月食】と呼びます。本影は非常に暗いので、月が普段とは異なる欠け方をしているように見えるのです。
そして月が本影に入らず、半影だけに入ることを【半影月食】と呼びます。半影は非常に薄いため、月はほとんど暗くなりません。よほど注意深く観察すれば少し暗くなっていることに気が付くかもしれない、程度です。従って、単に「月食」というと皆既月食と部分月食のことをいい、半影月食は含めません。
今回の月食について
今回の月食は、2021年11月19日(金)の夕方から宵にかけて発生する部分月食です。「部分月食」と言っても、最大食分は0.978(月の直径の97.8%が本影に入る)ですので、「ほとんど皆既」と言っても差し支えのないほど深い部分月食です。
月食は日食と異なり、観測地点によらず同時に発生し、同時に終了します。今回の月食の始まりは16時18分24秒です。しかし仙台から西側では、月はまだ地平線の下にあります。従ってこの地域では月が欠けた状態で上ってくる【月出帯食】になります。
福生第二小学校(緯度:35.7241° 経度:139.3358° 標高:116.0m)での月の出は16時27分00秒です。しかし建物で視線が遮られますので、まだ見えません。実際に見えるのは17時頃でしょう。
月が昇ってからは次第に欠けていき、18時02分54秒に食の最大を迎えます。前述の通り、この時の食分は0.978。ほぼ完全に隠れていますが、右下にわずかに明るい部分が残っています。暗い部分は真っ黒になるのではなく、赤みがかった色になるはずです。が、大気の状態などによって色が変わるため、実際にどう見えるかはその時にならないとわかりません。
月食の終わりは19時47分24秒です。このときの月の高度は37.7°ですから、少し首を上げるくらいでしょうか。この状態でも半影には入っていますので、実際の満月よりも少し暗いです。が、ほとんどわからないでしょう。半影食の終りは21時05分30秒で、このとき月は本来の明るさを取り戻します。
しし座流星群も同時発生
毎年、11月6日頃から30日頃まで流星が流れます。しし座流星群です。今年の極大は11月18日午前2時頃の予報ですから、11月19日の月食の日はちょうどヒットするんですね。流星にとって満月の夜は最悪の条件ですが、月食の最中なら見えるかもしれません。
とはいえ、今年のしし座流星群はあまり華やかではなさそうです。大きく欠けた月と流星の組み合わせは、非常に珍しいんですが。
しし座流星群は、テンペル・タットル彗星が軌道上に残したチリに地球が突っ込むことで発生します。この彗星は1998年に太陽に近づきましたので、その後の1999年や2001年には多くの流星が観測されました。
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